音痴じゃない世界線はどこだ

自分が音痴だと気がついたのは、中学生になってからだった。

それまでカラオケに行く機会がなかったので、自分の歌声をよくわかっていなかった。

小学校のときも合唱や音楽の授業で歌うことはあった。

でも、音程とか音域といった次元の話は知らなかった。

たぶん声が出てれば歌えていると思っていた。

カラオケの採点機能をみたとき、全然自分の音が違うことを知った。

それが音の高さに気づいたきっかけだった。

 

昔、親の前でスピッツを歌ったことがある。

スターゲイザーだった。あいのりの主題歌だったやつ。

自分では、草野さんと同じ声が出てると思い込んでいて、サビを歌った。

でも、親の反応は芳しくなかった。

その反応に、なんか腑に落ちなかったことは、今でも覚えている。

それが、音痴のせいだったのかと今更になって知った。

 

中学、高校、大学と成長するにつれて、カラオケに行く機会が増えた。

中学の時に音痴に気づいてしまったので、結構しんどかった。

仲のいい友達は、みんな歌がうまかった。だから行く機会も多かった。

いつかはうまくなると信じて、断らずに行き続けたがうまくなることはなかった。

実体験だけど、合唱部のやつとカラオケ行くと死にたくなるぞ。

90点台の中に、60点台が混ざってるんだからな。そりゃつらいわ。

社会人になってカラオケに行くたびに思い出す。トラウマ。

 

正直、大人になった今でも音の高さがわからない。

声質を真似れば、その高さが出ていると思っていたので、ミスチルの桜井さんとかスピッツの草野さんの歌い方を真似していた。

歌い方を似せても、音の高さって変わらないんだね。常識なのかもしれないけど。

ある音が流れていて、それと同じ高さの声を出してと言われても出せない。

どうしたら、その音が出せるのかわからない。

音の高さってなんだ。

渋い声=低い音だと思っていたけど、それもなんか違うらしい。

声質が低いけど高い音みたいなのもあるらしい。合ってるかわかんないけど。

ここまででわからないって単語がめちゃくちゃ出てる気がする。わかんないけど。

年々声が低くなっているのもあるが、カラオケに行っても歌える曲がない。

最近のアーティストは、音域が高すぎる。

どうやったら、その音が出るのだろう。不思議なもんだ。

一度でいいから歌がうまくなりたい。

きっと気持ちいいんだろうね。

音楽の才能が皆無なのが、非常に悔やまれるよ。

歌も楽器もなんもできねえもん。

歌うのは好きなんだけどね。

音痴が歌うの好きってのも皮肉なもんだよ。