とりあえず読んでほしい貫井徳郎の小説
今日は、貫井さんの小説の話でもしましょう。
初めて読んだ作品は、『崩れる 結婚にまつわる八つの風景』。当時、貫井徳郎という作家のことは知らなかった。完全に表紙買い。
この本は、結婚・日常をモチーフにしたホラーテイストな怖い話がメインの短編集だ。
この本をきっかけに色々な貫井作品を読んだ。その中から、何冊か紹介する。
別の機会に、ほかの作品も紹介したい。
【とりあえず読んでほしい貫井徳郎の小説】
『崩れる 結婚にまつわる八つの風景』
初めて読んだ作品。
短編ながらも、それぞれにインパクトがある。後味は決して良くないが、その味がクセになる。日常をベースにした人間の怖さが楽しめる。
『慟哭』
貫井徳郎のデビュー作。これがデビュー作ってすごいな…ってなった。
ミステリー好きは、一回読んでほしい。
『乱反射』
2019年にドラマ化もされた。
様々な登場人物の視点から構成されているが、読みづらさを感じさせない。
”誰かの行動が、誰かに影響を与えている”
そんな他者のエゴが積み重なっていく展開に、人間の嫌な部分を直視させられる。
重いテーマであるが、深く考えさせられる作品。
『愚行録』
直木賞候補にもなった作品。妻夫木聡、満島ひかり主演で映画にもなっている。
一家惨殺の未解決事件を中心として話が展開される。人間の本性が浮き彫りになっていく様子は面白く、ページを捲る速度も知らず知らずのうちに早くなるに違いない。
愚行録というタイトル通り、ずっしりとした重みがある作品。
『明日の空』
暗い作品ばかり紹介したので、最後にこれを。
じんわりと心地がいいミステリ。
謎が紐解けたときの、そういうことだったのか…という感情を味わってほしい。
切ないけれど、前を向いて生きたくなる一冊。貫井作品の中では明るいミステリー。
紹介した5作品、ぜひ一度読んでみてくださいませ。